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日本が売られる [社会]


日本が売られる (幻冬舎新書)

日本が売られる (幻冬舎新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/10/04
  • メディア: 新書



 民営化だとか規制緩和だとか聞くと、なんだかいいことのようにも思えてくる。効率化を図って、市場を活性化させる。改革をして日本がよくなるんだというイメージ。

 もちろん規制緩和をしたほうがいい分野もあるのはたしかだろう。でも、なんでもかんでも規制緩和すればいいという単純なものでもない。医療だとか水道だとか国土だとか、規制をすることで守るべきものもあるのだ。

 今、日本では幅広い分野で民営化、規制緩和を進めていこうという動きが急ピッチで進んでいるらしい。日本の水や米、海や森や農地、国民皆保険や公教育、食の安全など、様々な資産が叩き売りされているようなもの。そう警鐘を鳴らしているのが、「日本が売られる」という本だ。

 たとえば、日本各地で水道の民営化が進んでいるなどという話は、本書を読むまで知らなかった。大阪や宮城、静岡、熊本、栃木で、水道運営をフランスのヴェオリア社に委託することになっているという。

 水道を民営化する理由というのが、競争がサービスの質を上げ、水道料金が下がるというものだ。だが、実際の理由は、外国からの圧力というのがある。日本の様々な規制を外して、民営化することで、外資が参入しやすくなる。世界では水ビジネスが横行していて、外資からすれば日本の水は宝の山なのだ。

 民営化でサービスの質が向上するなどというバラ色の理屈が簡単に成り立つわけがない。水道というのは国民の生活に直結することなので、採算の悪い地域もサービスする必要が出てくるし、水道管が老朽化すれば直していかなければならない。でも、民間企業の目的は利益を上げることなので、採算がとれなければ撤退するというのが鉄則だ。

 実際に世界を見ると、水道を民営化して酷い目に遭っている国もたくさんある。ボリビア、南アフリカ、オーストラリア、フランス、イギリスでは、民営化を進めてむしろ水道料金が上がってしまった。料金が上がるので、飲み水が手に入れるのに高いお金を払わないと行けないので、困窮する住民も出ている。運営も劣悪で水質が悪くなった例もある。

 かといって、民営化を簡単に撤回できるかというとそんなわけにもいかない。契約解除をしようとすれば、多額の違約金をとられることになる。そんな例が相次いでいるという。

 水道に限った話ではなく、日本政府は外国の圧力に負けて、様々なものを民営化して、外資参入を自由にさせることを進めている。水道と同じような問題が生じることが予想される。結局のところ、高い税金を払わされることになって損するのは日本の国民で、得をするのはウォール街の投資家たちということになる。日本政府が戦略を持ってやっているようにはとても思えなくて、外国から見たらいいカモでしかないのではないか。

 いろいろ知らないことがたくさん書かれていて、衝撃の内容だった。マスコミも芸能スキャンダルとかホントどうでもいいから、もっとこういう大事な話を報道してほしいなと思う。
タグ:堤未果
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