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ある日どこかで [SF(外国)]


ある日どこかで (創元推理文庫)

ある日どこかで (創元推理文庫)

  • 作者: リチャード マシスン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 文庫



 脳腫瘍のため余命わずかとの診断を受けた、脚本家のリチャード・コリア。あてどない旅に出かけることにした彼は、海辺にある古きよき時代の面影を残したホテルを見つける。ホテルの歴史ホールには、何十年も昔の品々が飾られていて、その中でもとくにある女優のポートレートに惹きつけられる。それは、エリーズ・マッケナという舞台女優の写真。エリーズの魅力にとりつかれた彼は、その生涯について調べ始め、なんとか彼女に会うために、不思議な力で時間旅行をすることに……。

 時空を超えた愛を描いた、タイムトラベル・ファンタジー。

 ラブストーリーもので、「時間」という最大の障壁に隔てられたふたりの運命が描き出されている。

 異なる時代に生まれたにもかかわらず、不思議と惹きつけあうふたり。だが、未来から来たリチャードは、過去の人々の習慣が分からずちぐはぐな行動をとってしまい、周囲からは怪しい人間と思われる。それでも周りの妨害をよそに、愛を貫くひたむきさ。たくさんの壁を乗り越えようとする必死な姿が感動を誘う。

 時間旅行がテーマでもあり、「過去を変えることができるのか?」「タイムパラドックスが起きるのではないか?」という疑問が提示されて、どうなるんだろうと惹きつけられるし、最初に張られた伏線が後になって回収されるという、タイムトラベルもののSFにおなじみの楽しみも出てくる。

 ラブストーリーものとしてよくできているだけでなく、時間とは何か、因果律とは何かということを考えさせられてしまう作品。ノスタルジックな雰囲気もあって、昔の時代に帰っていくような懐かしい感じもよかった。

 筆者のリチャード・マシスンは、SF作家で、映画「アイ・アム・レジェンド」や「リアル・スティール」の原作者。テレビドラマの「トワイライト・ゾーン」やスピルバーグの若いころの映画脚本にも関わった多彩な人物。つい先日亡くなられたというニュースが報じられた。大好きな作家だっただけに、非常に残念である。ご冥福をお祈りいたします。
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