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演技と演出のレッスン [演劇]


演技と演出のレッスン ─ 魅力的な俳優になるために

演技と演出のレッスン ─ 魅力的な俳優になるために

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2011/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 鴻上尚史の「演技と演出のレッスン」は演技の入門書である。

 映画が好きでよく観ている割には、我ながら演技のことがよく分かっていなかったので、ふと読んでみたのだが、これが結構ためになった。

 本書を読むと、俳優がどんな風なステップを踏んで演技を行っているのか、映画や演劇の中で俳優がどんな役割を果たしているのかがよく分かる。

 映画や演劇の台本にも、俳優のする行動について何でもかんでも書かれているわけではないそうだ。セリフと必要最低限のト書きがあるだけで、具体的な動作などは俳優が自ら考えなければならない。

 俳優というのは、演出家や台本の指示に従って動くだけの人形ではなくて、自ら役柄のふるまいを決定していく主体的な存在だという。

 能動的に動いていくために、俳優は自らの役柄を詳細にイメージする。どんな性格なのか、どんな目的があるのか、どんな家族がいてどんな家に住んでいるのかなど、台本に書かれていない部分を埋めていく。与えられた役柄をより実在感のある、生き生きとしたものにしていく。キャラクターを創りあげていくのが俳優の役割なのだ。

 キャラクターが固まったら、それぞれの場面で「もしこのキャラクターがこんな状況に置かれたら、どう行動する?」という問題提起をする。「もし~だったら」という空想を膨らませて、具体的な行動を決めていく。

 かように俳優というのは想像力が試される仕事だったのだ。
 
 本書を読むと、俳優の役割の重要さに気づかされる。俳優の力量によって、作品のリアリティのレベルが上がったり下がったりもする。これから映画やドラマを見るときには、俳優の演技にももっと着目してみたくなった。
タグ:鴻上尚史
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