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ルナ・ゲートの彼方 [SF(外国)]


ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)

ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)




 ロバート・A・ハインラインの「ルナ・ゲートの彼方」は、地球から遠く離れた星を舞台にしたジュブナイルSF。

 古典的な物語の背景を宇宙に置き換えることで、スケールの大きな新鮮なものに早変わりする。SF作家はよくこういう手法を使っているけれど、「ルナ・ゲートの彼方」はまさに「十五少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー」といったサバイバルものを宇宙に置き換えた作品といえるだろう。

 高校生のロッド・ウォーカーは、授業の最終テストとして実地のサバイバルに参加することになった。それは未知の惑星に送り込まれて、一定期間生き延びるというテスト。どんな惑星に送り込まれるのか、どんなどう猛な動物がいるのかも一切知らされない。生命をかけた危険なテストだ。

 ゲートという装置で他の数十名の生徒らとともに未知の惑星に送り込まれたロッドは、ナイフ一丁でなんとか危険を回避しながらサバイバル生活を送る。しかし、期限を過ぎてもいっこうにテストが終わる気配がない。地球側でゲート回収ができない事態に陥っていたからだ。ロッドたち生徒らは、いつまでたっても救助が現れないまま、サバイバル生活を続けることに……。

 文明社会から離れて、しかも未知の生き物が待っている中でどうやって生き延びるのかが見どころ。ハインラインが書いているので、未知の惑星の話なのにとても説得力がある。未知の惑星にはどんな危険が待っているのか、どんな風に対処すべきなのか、サバイバルガイドのような本になっている。

 面白かったのは、サバイバル術と言うだけでなく、国家論にもなっているところ。生存する確率を高めるためには、仲間を増やしてコロニーを形成することが重要。ということで、ロッドたちは自分たちの国家を作り上げようとする。単に安全な住居を建てるというだけではなく、立法や行政といった社会制度を一から組み立てはじめるのだ。どんな国家が理想なのかというところまで考えさせられる、深みのある本といえる。

 最後の最後には予想を裏切るような展開が待っていて、ちょっとこれはどうなんだろうと思わなくもない。こういう意地悪な展開も含めて、ハインラインなりの教育的なメッセージがあるのだろうかとか、いろいろと興味の尽きない本だった。
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