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憲法主義 [法律]


憲法主義:条文には書かれていない本質

憲法主義:条文には書かれていない本質




 憲法学者がアイドル歌手に憲法を解くという異色の本。

 キワモノかと思いきや、非常にしっかりした憲法の解説書になっている。憲法のしくみについて、その歴史的背景や制度の意味が丁寧に解説されていて、これ一冊で憲法の全体像をつかむことができる。アイドルも、憲法を暗唱するくらい知識豊富で、講義の内容もすらすら理解していて、頭がいいんだなあとびっくりさせられた。

 憲法というのは、国家権力を縛るためのしくみである。国家権力というものは、放っておくと暴走しがちである。歴史をひも解いていくと、国家機関は様々な問題行動を繰り返してきた。独裁に走ったり、思想・言論統制を行ったり、不平等な扱いをしたり、少数派を虐殺したり、他国を侵略したり。多くの人々の犠牲が生じた。

 民衆も黙ってばかりいたわけではない。人々はこうした国家の暴走や傲慢に対して業を煮やし、自ら立ち上がって、アメリカ独立戦争、フランス革命など、反乱を起こすこともしばしば。国家対人民をめぐる闘争の中で、多くの血が流れた。

 こうした様々な歴史的な紆余曲折があるなかで、人々はどんな国家が理想か、どんなシステムがよりよいものになるのかを考えるようになった。そして、国家を理想的なシステムにすべく、憲法にその設計図を組み込んだのだ。

 日本の憲法は、GHQが草案をつくっているので、こうした世界史の背景が踏まえられている。人権規定にしても、国民主権にしても、違憲審査制にしても、それぞれに歴史的な由来があって規定されたもの。歴史上の様々な悲劇を繰り返さないよう、先人たちの知恵を集結したものといえるだろう。

 本書を読むと、それぞれの仕組みの大元がどこにあるのか、どんな思想でこのようなシステムが作られたのかがよく分かって大変興味深い。完璧なシステムなどあるわけがないし、日本の憲法にもいろいろなデメリットはあるようだが、他のシステムに比べたら大分ましなんじゃないかということが見えてくる。時事的な問題についても語られていて、大いに勉強になる一冊だ。
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