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時間の砂 [ミステリ(外国)]



 シドニイ・シェルダンの「時間の砂」は、スペインテロリストと4人の修道女の逃走劇。スペインのバスク紛争を題材にした作品だ。

 スペインには昔からバスク人と呼ばれる少数民族が住んでいて、独自の文化と言語を持っていた。しかし、フランコ独裁政権下で弾圧を受け、バスク語の使用も禁じられてしまう。

 バスク人の急先鋒は、スペインからの分離・独立を目指す活動を始めた。実力行使集団ETA(バスク祖国と自由)を組織すると、1960年頃から、爆弾テロや政府要人の暗殺などを引き起こすようになる。

 本書はこのような時代背景をもとに、ETAのテロリストとスペイン警察の戦いを描いている。テロリストとして登場するのは、カリスマ的な存在にあるハイメ・ミロ。彼は刑務所から脱獄し、逃走する。その道すがらで、4人の修道女が巻き込まれてしまい、テロリストとともに行動せざるを得なくなる。

 シドニイ・シェルダンのいつもながらのハラハラドキドキのストーリーテリングが見もの。長年修道院という狭い世界で暮らしてきた4人の修道女が、突然広い世界に放り込まれ、しかも次から次に思わぬ危機が迫ってくるという状況。どうやって壁を乗り越えていくのかを見るのが面白い。

 4人の修道女の視点が次々に切り替わる形で話が進行するのだが、上手いのは、それぞれの修道女があわや危機一髪という状況に陥ると、絶妙なタイミングで視点が切り替わるのである。この修道女どうなっちゃうんだろうというペンディングの状態のままで、次の修道女の話が始まり、今度はその修道女が危機一髪になると、また視点が切り替わる。基本この繰り返し。

 このサスペンス手法にまんまと嵌って、読んでいて続きはどうなるんだろうと、気になって仕方がない。シドニイ・シェルダンの真骨頂を見た気がした。

 スペインのバスク紛争とか、読んでいていろいろ社会勉強にもなるところもよかった。
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流星の絆 [ミステリ(日本)]


流星の絆 (講談社文庫)

流星の絆 (講談社文庫)




 「迷宮入りになった事件を解決する」といったタイプのミステリーが好きである。

 10年以上も前の事件をどうやって解決するのか? 不可能に挑戦する面白さがある。

 10年も経てば証拠も失われてしまうだろうし、周辺の人間の記憶も薄れてしまう。仮に犯人が見つかったとしても、裏付けをとることができない。ということは、犯人を罰することもできないということ。何とも言えないもどかしさがある。

 東野圭吾の「流星の絆」も、そんな迷宮入り事件を解決する作品だった。

 14年前に起きた洋食屋の店主夫妻が殺害された事件。両親を殺された三兄妹が、犯人を見つけ出して復讐を果たそうとする。

 この作品でも、かなり早い段階で犯人らしい人物が登場するのだが、いかんせん証拠がない。14年前に目撃した犯人の顔にそっくりという事実はあるのだが、それだけでは決め手にならないのだ。

 では、どうやって犯人を罰するのか? というところが、本書の見どころである。まあ、結構違法なことをやるわけなんだけれど、こういう汚い手があるのかとなかなか興味深い。

 ミステリーによっては、たいした裏付けもないのに、突然犯人が自白して解決してしまうものもあるから、そういうたぐいの話に比べると、読みごたえはあると思う。
タグ:東野圭吾
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殿さまの日 [歴史小説(日本)]





 星新一というとSFショートショートが有名だが、「殿さまの日」という本には、江戸時代を舞台にした作品が収められている。どれもショートショートではなく、結構長さのある短編だ。

 題材は多岐にわたっている。殿さまの生活、敵討ち、生類憐れみの令、ねずみ小僧、藩医、忠臣蔵、書物奉行などなど。

 様々な階級の主人公が出てきて、さながら架空の人物伝といった趣。かなり詳しく当時の研究をしたようで、江戸時代の人々はこんな生活をしていたのかというのが垣間見えて、興味深かった。

 表題作の「殿さまの日」は、ある藩の殿さまの苦労を描いた話。江戸時代の殿さまも、平和な時代だったとはいえ、結構悩みが多かったようだ。悩みと言っても戦の悩みではなく、藩の経営の悩み。江戸城の修繕費の捻出を命じられたり、参勤交代にお金がかかったりと、出費がかさんだらしい。収入は年貢頼みだったが、年貢を上げてしまうと農民が逃げ出してしまったり、一揆が起きたりしてしまう。財政を健全化するのが大変だったのだ。

 他にも、「元禄お犬さわぎ」は悪法と言われる将軍綱吉の生類憐れみの令を逆手にとって、一儲けしようという男たちの企み。「藩医三代記」は西洋科学の普及していない時代の医者が、毒草やまじないの知識を活用して、のし上がっていく話。「紙の城」は偽造文書作りの才能に恵まれた男が、周囲を騙していく話。

 こうして読むと、商売っ気のある主人公がうまく立ち回って、ひと儲けする話が多い。江戸時代を舞台にしたビジネス小説とも言えるんじゃないだろうか。

 星新一らしいところもあって、話の展開がストレートには行かない。どの作品も最後に皮肉な結末が待っていて、思わずにやりとさせられる。こういうところはいつもの星新一だなと安心して読めた。
タグ:星新一
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誰がアパレルを殺すのか [ビジネス]


誰がアパレルを殺すのか

誰がアパレルを殺すのか




 自分とまるで関係ない業界の話を聞くと、驚くことがある。

 アパレル業界についても何も知らなかったので、本書を読んでいろいろ驚いた。衣類などというと、生活必需品であるから景気に左右されないものなのかと思っていた。ところが、最近になって業界全体がかなり低迷しているのだという。

 原因として考えられるのは、旧来のビジネスモデルが古くなってしまったこと。戦後の高度経済成長時代の経営スタイルを未だに続けてしまっている。大量に生産して、百貨店に大量に流し、大量消費を促す。規模の経済によって低コストを実現するのが狙い。

 ところが、このようなスタイルを続けた結果、供給過剰となり、店頭には似たようなデザインの服ばかりが並び、消費者からはそっぽを向かれてしまった。

 おまけに新たな競争相手も増えてきた。ユニクロだのファストファッションだのと、低価格を売りにした競争相手も生まれているし、メルカリなどの中古市場も大人気だ。

 本来なら、新たなビジネス展開を模索すべきであるのに、時代の流れに追いついていない。未だに古いモデルを引きずってしまっているため、業界全体が沈みゆく状況にある。これがアパレル業界の現実だというのだ。

 その影響は、アパレル業界に依存していた百貨店にも及ぶ。外国人の爆買いのおかげで一時期は持ち直したものの、ブームが過ぎ去った今、有名百貨店が次々に閉店に追い込まれてしまっている。

 なんだかすごいことになっているけれども、消費者の目から見て分からなくもない。昔と比べて選択肢がどんどん増えているからね。百貨店で洋服を買うというのはめったになくなってしまったし、ネット通販も使うし。大勢の売り手が消費者のシェアを奪い合っているわけで、古いモデルの売り手はシェアを取られるわけだ。

 こういう話はアパレル業界に限った話ではないよなあとも思う。分野の垣根なく、消費者の行動パターンが変わってしまったのだから。どんな業界でも旧式のモデルは通用しなくなってきているだろう。

 この手の本を読むと、これからどうなるんだろうという不安の声も書かれているのが常だ。でも、むしろ面白い時代になるともいえるのではないだろうか。まさに時代の転換期。何が起こるか分からないというワクワク。新しいことを始めるパイオニア精神。

 あまり怖がらずに、どんと構えて生きていきたいものだ。南国のサーファーのように時代の荒波に乗る。なんだか楽しそうではないか。
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松吉伝 [漫画]





 最近漫画を読まなくなっていたのだが、久しぶりに読んで面白かったのは、みなもと太郎の「松吉伝」である。

 内容はみなもと太郎自身の祖父松吉の話を漫画にした人物伝。松吉が亡くなった後にどんな人物だったのかをはじめて聞かされたらしい。話を聞くうちに、だんだんと松吉が凄い人物だったことが判明する。

 とにかく凄さのレベルが常軌を逸している。日露戦争当時に近衛兵となった松吉は、ロシアへの諜報活動に携わっていて、日本の歴史に大きな影響を与える活動に関与している。

 大正時代に日本が朝鮮半島を占領していたときにも、朝鮮の奥地で警察署長として赴任し、悪化していた治安を抑えたり、抗日運動を平定したりと活躍をしていた。

 日本の中枢を担うような偉人だったのだ。

 ギャグ漫画なので、絵柄がとてもライトな感じでさくさく読めるのだが、内容はかなり凄いことが書いてある。これどこまで本当の話なんだろう? 日本の歴史観がひっくり返ってしまうような驚くような話だ。

 当時はこんな時代だったのかという歴史の勉強にもなる。ほとんど知らないことばかりで、新鮮な漫画だった。 
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泥棒刑事 [犯罪]


泥棒刑事 (宝島社新書)

泥棒刑事 (宝島社新書)




 神奈川県警捜査三課は、窃盗事件を専門的に扱う通称「泥棒刑事」たちの仕事場。本書は彼らが見聞きした体験をつづった、泥棒たちの摩訶不思議な事件簿である。

 泥棒というと、空き巣を狙ってドアをピッキングして開け、机やタンスの引き出しから金目の物を奪っていく。そんなイメージがある。

 たしかに、イメージ通りの泥棒も多いようだが、泥棒というのは手口が千差万別らしい。中には、警備員がいる建物に堂々と忍び込む大胆不敵な輩もいるという。警備員が見回りに行ったり、居眠りしている隙を突いての犯行。用意周到な計画である。

 ジャッキー・チェン並みの脅威の身体能力を持った泥棒というのも出てくる。高層アパートの屋上から壁伝いに這い降り、ベランダからベランダに飛びついて侵入する手口。身軽な体を活かした犯行だ。

 ある外国人窃盗団は、こっそり忍び込むというより、白昼堂々と家財道具から一切合切持ち運ぶ手口。たしかに、引っ越し業者のふりをすれば、容易には泥棒とは気づかれないかもしれない。

 とまあ、様々な泥棒の手口が出てきて驚かされる本である。手口が分かるだけでなく、泥棒はこんな家を狙っているという、泥棒に狙われやすい家の特徴なども書かれている。

 泥棒が狙うのは、交通の便の良い場所。一軒家よりもアパート。塀や生垣の高い住宅。アパートの1階と最上階が狙われやすいという。泥棒も簡単に捕まりたくないので、逃走ルートを確保する必要があるし、人と鉢合わせする確率の低いアパートのほうが狙い目。塀が高ければ犯行中に外からの目を気にする必要がないし、1階と最上階が最も侵入しやすい。

 泥棒目線で考えれば当たり前の話だが、普段こういう発想はなかったので、結構参考になった。

 泥棒の中には、身体能力が高かったり、手先が器用だったりと、かなりの技能を持った者もいるようである。せっかくの才能を泥棒なんかに使ってもったいないなあというのが、本書を読んでの正直な感想だった。
タグ:小川泰平
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パリは燃えているか? [世界史]





 第二次大戦時、連合軍がノルマンディーに上陸してドイツに向けて進軍すると、パリを占領していたドイツ軍は後退を迫られることになった。アドルフヒトラーはこの状況にいきり立っていた。パリを占領することが、この戦争で最も重要な意味を持っていたからだ。

 むざむざ連合軍にパリを明け渡すくらいなら、破壊してしまえと、ヒトラーは軍隊に命じる。パリのあらゆる場所に爆薬が仕かけられ、焦土化する作戦が立てられた。そして、とうとうレジスタンスの活動が本格的に開始され、パリの市街地で激しい戦闘が繰り広げられることになる。

 1944年のパリの攻防を描いたノンフィクション。

 パリのエッフェル塔や、凱旋門、ルーヴル美術館ノートルダム寺院なども、このときに破壊されるはずだったそうだ。にもかかわらず、今でも無傷で残ったのは奇跡的な偶然が積み重なったから。本書はこのときの経緯が克明に描かれている。

 連合軍が最初はパリを迂回しようとしていたというのは知らなかった。パリはドイツ軍の防衛が強固なので、激しい戦闘が予想され、燃料や弾薬を節約したかった連合軍はこれを避けたかったのだという。最終的にはパリに入らざるを得なくなるのだが、連合軍が引っ張り込まれる経緯は紆余曲折があってなかなか読み応えがある。

 本書にはヒトラーやドゴール、アイゼンハワー、ヘミングウェイといった有名人も出てくるが、無数の無名の人々のエピソードがふんだんに盛り込まれているのが特徴。個人の行動がのちのち歴史の流れに影響を与えたりしていて、歴史を動かしているのは、人々の個々の行為の積み重ねなんだなあということが見えてくるところが面白い。

 無数のエピソードが語られていて圧倒される本。これどうやって取材したんだろうと本当に驚いた。
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血族 [ミステリ(外国)]


血族〈上〉

血族〈上〉




 シドニイ・シェルダンの「血族」を読んだ。

 巨大製薬企業の社長が、登山中にクレバスに転落して死亡するという事故が起こる。娘のエリザベスは父親の意志を継ぐべく、自ら社長の座につくが、やがて社内に不穏な動きがあることを知る。会社の信用を意図的に失墜させるような出来事が相次いでいたのだ。社内にスパイがいるのだろうか? 

 疑念が的中したかのように、不可解な事件が続発。彼女は何度も命も危険にさらされる。怪しいのは会社の重役たちだ。エリザベスが死んで利益があるのは彼らなのだから。一体誰が裏切り者なのか? 命を懸けた犯人探しが始まる。

 ……とまあ、いかにもシドニイ・シェルダンらしいスリリングなミステリーなのだが、正直なところミステリーとしてはそれほど面白くなかった。結末に意外性がなくて、なんだか尻すぼみで終わってしまった感じ。シチュエーションとしては面白かったのだけれど……。

 むしろ、この本の面白さは、本筋よりも脇役たちの個々のドラマの方にある。本書には会社の重役たちが何人も登場する。エリザベスの命を狙っているかもしれない容疑者たちだ。普通の小説なら、脇役として小さく扱われるような人たちなのだが、シドニイ・シェルダンはさすがに一味違う作家である。一人一人の重役たちの来歴エピソードが事細かに描かれ、まるで人物伝のように語られる。

 シドニイ・シェルダンは本当にこういう人間くさいエピソードを書かせるとうまい。ドロドロの人間模様を描いていて、各人物たちは己の欲望に忠実なあまりに破滅への道を突き進み、人生の崖っぷちに立たされている。彼らが救われるにはただ一つ、エリザベスを殺すしかない。そんな状況にまで追い込まれてしまう。

 とにかく話がどんどん脱線する作家で、重役ならまだ話に関係するからいいものの、途中で全然本筋と関係ない製薬会社の創業者の話まで出てくる。そして、なぜかこの創業者の会社設立に至るまでの苦労話が、本書の中で一番読みごたえがあったのだから不思議だ。面白い中編小説を一つ読んだかのような満足感だった。
 
 ということで、全体的な構成はいびつで、すっきりせず、ミステリーとしてもたいして面白くなかったけれど、個々のエピソードが異常に面白かった。シドニイ・シェルダンも妙な本を書くよなあと思った。
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あした天気にしておくれ [ミステリ(日本)]


あした天気にしておくれ (講談社文庫)

あした天気にしておくれ (講談社文庫)




 誘拐もののミステリーといえば、岡嶋二人。

 「あした天気にしておくれ」は競馬の世界を舞台にした誘拐ものだ。

 サラブレッドのセシアは将来有望な血統馬。仔馬にも関わらず3億円もの価値がつけられていた。ところが、輸送中に自動車事故が起こり、セシアは骨折。もはや競馬に出場することもままならない状態になってしまう。

 事故の責任は馬主の一人である鞍峰にあった。彼は自らの責任を免れるために一計を講じる。セシアの誘拐事件を偽装して、責任を外に逸らしてしまおうという計画だ。ところが、何者かから謎の脅迫文が届き、計画は予想外の展開に……。

 最初は犯罪者側の目線で、犯罪計画を遂行していく話だったのが、途中から謎の人物からの介入があって計画が横取りされてしまう。謎の人物は誰なのかという謎解きミステリーへと変貌するのである。

 他人を騙そうとしていたはずが、いつの間にか誰かに騙されていたことに気づく。視点が一気にひっくり返ってしまう面白さのある作品。

 誘拐ものというと、身代金の引き渡しが見所のひとつ。厳重な警備の中をどうやってかいくぐって、安全に身代金を手に入れるのか。犯人の頭脳が最も試される場面である。

 本書の中にも、あっと驚くような身代金の入手方法が用意されていて、こんなやり方があったのかと恐れ入った。競馬界ならではのトリックで、前代未聞だろう。

 ミステリーとしても良質であるし、競馬界の裏事情まで知ることのできるという読み応え満点な本だった。
タグ:岡嶋二人
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震える石 [ミステリ(外国)]


震える石 (論創海外ミステリ)

震える石 (論創海外ミステリ)




 「震える石」はフランスクラシック・ミステリー。最近、初の邦訳が出版された。

 筆者はピエール・ボアロー。ヒッチコックの「めまい」の原作を書いた人だ。

 「めまい」もトリッキーな話だったが、この「震える石」も負けず劣らずトリッキーだった。なにしろ、謎の犯人が衆人監視の中で煙のように消え失せてしまうのだから。

 物語の舞台となるのは、フランスのブルターニュにある城館(シャトー)。この城館の領主の息子と結婚することになったピアニストの女性が、城館に向かう列車の中で謎の人物によって命を狙われる。偶然現場に居合わせた探偵のアンドレ・ブリュネルは、女性が襲われているところを救い出すが、単なる物盗りには思えない。案の定、城館に着いてから第二の事件が起こる。

 とにかく謎の出し方が大盤振る舞いな話だ。謎の犯人が消失してしまう場面が出てきて、これどうやったんだろうと思っているところに、さらに2回目の人間消失が起こる。そのうえ城館の領主と息子が夜な夜な奇怪な行動をとったりもして、謎が解ける前にどんどん謎を積み重ねていくというすごい話だ。

 こんなに風呂敷を広げて、最後にきちんと畳めるのだろうかと思えるくらいなのだが、これが最後になってスッキリと謎が解けるのである。しかも、竜頭蛇尾な感じではなく、結構納得のいく解答。どうして犯罪に至ったのかというあらましがしっかりと考えられている。

 城館やら怪人が出てくるせいか、本格ミステリーというよりも、怪盗ルパンのような冒険もののイメージに近い作品だった。結構スリルがあって、飽きさせない展開。

 解説を読むと、主人公のアンドレ・ブリュネルは、シリーズものとして活躍しているらしい。入手困難なものが多いようだが、別の作品も読んでみたくなった。
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