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FBIアカデミーで教える心理交渉術 [実用]


FBIアカデミーで教える心理交渉術 (日経ビジネス人文庫)

FBIアカデミーで教える心理交渉術 (日経ビジネス人文庫)




 人生というのは交渉の連続だなあと最近思う。

 交渉というのは、何も国家的な駆け引きや会社同士の取引に限ったものではない。身近なところにも交渉は存在する。大きな買い物をするときには交渉が伴うし、就職活動の面接だって交渉の一形態だし、結婚生活にも交渉はつきものだ。家族でどこに出かけるかといった問題でさえ、交渉の一種と言える。

 人が何かを求めるとき、求めるものを得るのに他者の協力が必要になるときには、必然的に交渉が伴う。

 じゃあ、こうした様々なレベルでの交渉をうまく進めるコツのようなものはあるのだろうか? 有利な条件を引き出す方法が?

 本書はありとあらゆる交渉を対象に、交渉に強くなるための秘訣が書かれた本である。作者は国際交渉のエキスパートで、「ウィンーウィン」という言葉を生み出した人だ。

 読んでみると、たしかに腑に落ちることが書かれてある。仕事で交渉に関わることがあるので、思い当たるところがたくさんあった。とくに、交渉の3大要素は「力」「時間」「情報」であるというのは、その通りだと思った。

 たとえば、選択肢をたくさん持っていたり、影響力を持っていたりする「力」のある人が有利なのはたしかだろう。他に選択肢がない人はどんな条件でも受け入れざるを得なくなるので、足元を見られてしまう。拒絶しても痛くもないという人が一番強いのだ。

 「時間」の制限というのも重要だろう。焦って早く解決したいために悪い条件を呑んでしまったなんていう話を実際に見聞きしたこがある。交渉はじっくり構えるのが大事なのかもしれない。

 「情報」がモノを言うというのもよく分かる。ゲームでも何でも相手の手札が分かっているほうが勝負しやすいに決まっている。買い物をするときに、その商品は他者でどのくらいの金額で売っているものなのか、品質はどうなのか、どのくらいの金額で売りたがっているのかといった情報が集まれば集まるほど、値引き交渉がやりやすくなる。

 本書を読んでいると、こうした3つの要素をどのように獲得するのか、どのように対処すべきなのかがたくさん書かれていて参考になる。ベトナム戦争の時の駆け引きにベトナムがどのように勝利したのかとか、囚人が知恵を働かせて看守から煙草を手に入れた話とか、ガンジーがなぜ成功したのかとか、書かれている例も非常に面白い。

 アメリカ人が書いた交渉術の本なので、ハードな交渉の秘訣が書かれているかと思いきや、意外にも書いてあることはソフトなものだった。本書ではウィンールーズ式の相手を蹴落としてでも勝利を収めたいといった交渉方法を「ソビエト型交渉」と言って批判している。とくに継続的な関係のある相手には、ウィンーウィンでお互いに利益を得ることが大事と書かれていて、受け入れやすい内容だった。
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暗黒星雲のかなたに [SF(外国)]


暗黒星雲のかなたに (創元SF文庫)

暗黒星雲のかなたに (創元SF文庫)




 SF界の巨匠アイザック・アシモフが書いたスペース・アドベンチャー

 こんなSFが読んでみたいなあという夢の小説のひとつに、「宇宙で大冒険をする話」というのがある。宇宙での冒険といっても、月や火星などの地球から近距離の星ではない。地球から遠く遠く離れた宇宙の果てのような場所で巻き起こる冒険の話だ。

 それならスペース・オペラを読めばいいじゃないかという話だが、スペース・オペラというのはファンタジー寄りで、なんだか科学的な面白味が弱い。宇宙で大冒険するような話で、科学的な根拠がしっかりしたものが読んでみたいのだ。

 だから、アイザック・アシモフの「暗黒星雲のかなたに」を読んで驚いた。まさに自分の読んでみたかった夢の小説の条件にぴったりと当てはまっていたからだ。

 話の舞台は遠い未来の宇宙。地球から遠く離れた星雲諸国。テクノロジーが進歩して、自由に恒星間を飛び回ることができる世界。あまたの星々に文明社会が形成され、それぞれの惑星は繋がり合って、連合を作り上げている。

 最も大きな勢力は帝国と呼ばれ、諸国の上に君臨して圧政を敷いている。そんな世界であるうわさが飛び交っていた。この広い宇宙のどこかに、帝国を倒そうともくろむ反乱軍の潜む星があるという。そこにはたくさんの武器が用意されていて、いまにも帝国を倒そうと計画を練っているのだとか。

 帝国に父親を殺された主人公の青年バイロンは、陰謀に巻き込まれ、帝国からのお尋ね者となる。彼は反乱軍から追跡されながら、反乱軍の星を目指す危険な旅に出る。広い宇宙を舞台に陰謀劇が繰り広げられる、壮大な冒険だ。

 帝国だの反乱軍だの「スター・ウォーズ」そっくりの設定で驚かされるが、アシモフが書いているので科学的な背景がしっかりしている。説明せずにはおれないのか、地球の文明がどういうふうに発展して、どんな風に宇宙に進出して帝国が築き上げられるに至ったのか、その経緯まで嬉々として語っている。

 科学的と言っても、真面目一辺倒の退屈な作品になっていないところもいい。さすがアシモフで、娯楽性も満点。アシモフはアガサ・クリスティーを愛読していたせいか、どんでん返しにつぐどんでん返しという感じのひねった話になっている。意外な結末が待ってもいるので、ミステリー好きも満足するような内容だろう。

 自分の読んでみたかったイメージに近かったので、本当に満足できる作品で、楽しめた。解説を読んでいたら、「宇宙の小石」「宇宙気流」という三部作になっているのだとか。まだ読んでいないので、これまた非常に楽しみになった。
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オリヴァー・ツイスト [文学]


オリヴァー・ツイスト (新潮文庫)

オリヴァー・ツイスト (新潮文庫)




 産業革命時代のロンドン、救貧院で育った孤児オリヴァー・ツイストの物語。

 まさに波瀾万丈というにふさわしい、山あり谷ありの傑作だ。

 とにかくオリヴァーの身の上に次から次に災難が降りかかるのである。救貧院ではさんざん虐められるし、奉公先でも酷い扱いを受ける。救貧院の地獄の生活から逃げ出せたかと思えば、窃盗団に捕まり犯罪の汚名を着せられてしまう。

 主人公が次から次に難関をくぐり抜けるのが小説とはいえ、いくらなんでも主人公が可哀想になってくるくらいの災難続き。オリヴァー君にはこの苦難をどうにか乗り越えてほしいと、読んでいて思わず応援してしまったくらい。

 読む前は、よくありがちな「孤児の少年が逆境を乗り越えて成長する」というような話なのかなあと想像していたが、読んでみたら違った。オリヴァーは中に出てくる大人たちよりもよほど善良な性格の持ち主で、そもそも話の始まりから人格が完成しているのだ。これは少々意外だった。

 もうひとつ意外だったのは、話の展開がミステリーになっていたこと。オリヴァーには実は出生の秘密があって、後半になってその謎が解き明かされていく。思わぬ陰謀が隠されていて、徐々にある人物の野望が解き明かされていくところなどは、ミステリーとして完成されていて驚いた。

 ということで、波瀾万丈の物語として読んでもいいし、ミステリーとしても楽しめる。いろいろな楽しみ方のできる作品だった。産業革命時代の話ということで、当時の人々の生活の様子が細かに描かれていて、こういう時代だったのかというのが身近に感じられるところも読み応えがあった。

 
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トークの帝王ラリー・キングの伝え方の極意 [実用]


“トークの帝王

“トークの帝王"ラリー・キングの伝え方の極意

  • 作者: ラリー・キング
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2016/09/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 会話に関する本の2冊目は、「トークの帝王ラリー・キングの伝え方の極意」。

 ラリー・キングというのは、アメリカの有名なキャスターで、CNNの「ラリー・キング・ライブ」の司会者。インタビューした相手はニクソン、クリントン、オバマ、プーチン、マンデラ、マドンナ、レディ・ガガ、マイケル・ジョーダン、トム・クルーズ、ロバート・デ・ニーロと、超有名人の名前がずらり。ときどき映画などにも出てくる人だ。

 そんな名司会者の書いた本だから、すごいテクニックとかが載っているのかなあと思って読んだら、意外にも書いてあることはとても基本的なことだった。

 「率直に話す」「お互いの共通点を見つけて話題にする」「相手の話をしっかり聞く」という3つがとくに大事だと書いてある。

 前回読んだ「ウケる会話術」にも書いてあったことだが、聞くことの大事さが強調されていた。会話というのはキャッチボールなので、自分の話ばかりしていてはいけない。相手の話を聞かなければ何も学ぶことはできないなどなど。

 小手先のテクニックよりも前に、話をしている相手に対して敬意を払うということが、一番重要なポイントなのかもしれない。

 読んでいて結構普通なことが書いてあったので、拍子抜けしたのはたしかだが、結局会話の達人のやっているポイントは、全世界共通なんだなということは分かった。基本を押さえることが大事ということで、2冊目にして知りたかった答えが既に出てしまった気もしなくはないが、また懲りずに別の本も読んでみたい。
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闇ウェブ [IT]


闇ウェブ (文春新書)

闇ウェブ (文春新書)




 よくニュースで、個人情報が流出したなどという話を聞くけれど、流出した個人情報は実際にどのように悪用されるのだろう? 「闇ウェブ」という本を読むと、個人情報の使われたかが多岐にわたっているということが書かれていて勉強になった。

 まず、IDを乗っ取って、被害者に成りすまして銀行から金を借りたり、クレジットカードを利用するというID泥棒がある。こういうのは容易に想像のつく話かもしれない。

 残高の少ない空っぽの口座のようなものでも、闇の世界では売買の対象になるらしい。振込詐欺の振込先として使われたり、国外にこっそり資金を移動させたりするのに都合がよいのだ。

 また、医療・保険データのようなものも、闇の世界では高値で売買されているそうだ。健康に問題を抱えている人間を知ることができれば、健康情報を装ったスパムメールを効果的に送ることができるし、健康商材を効率的に販売することも可能だ。

 個人情報以外にも、闇ウェブでは様々な非合法商品が取引されている。

 ネットの世界にはグーグル検索などをしても引っかからない、闇ウェブが広がっている。専用のソフトウェアを使うことではじめてアクセスすることができる世界。そうした世界では、麻薬、武器、偽造パスポート、偽札、殺人の請負といった非合法な取引が盛んに行われているのだとか。

 Torなどの匿名性の高いネットワークを使うことで、犯罪者が群がっているらしいが、匿名性は完璧というわけでもない。だから、ときどき闇ウェブの取引が摘発されることがある。

 「偽装死で別の人生を生きる」という本に出てくる探偵も言っていたことだが、頭の働く犯罪者はネットを使わないのではないか。ネットは便利だけれど、足跡をあちこちに残してしまうというリスクがある。そういう足跡は動かぬ証拠になってしまう。

 闇ウェブで暗躍する犯罪者たちと犯罪者を摘発する捜査官との攻防。本書にはネットにおけるこうした攻防の例がたくさん書かれていて興味深かった。
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猿神のロスト・シティ [世界史]


猿神のロスト・シティ―地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ

猿神のロスト・シティ―地上最後の秘境に眠る謎の文明を探せ




 1526年、メキシコを征服した探検家のエルナン・コルテスから、神聖ローマ皇帝カール5世に宛てて書簡が送られた。その書簡の内容は、アステカ帝国をしのぐ都市国家が、かつてホンジュラスの地に存在していたという報告だった。

 コルテスの報告の通り、中米ホンジュラスには伝説の都市の噂が広がっていた。それは「白い都市」と呼ばれる噂だ。マヤ文明とも異なる謎の文明が、ジャングルの奥地に広がっていたのだという。現地の人間が偶然遺跡の跡を見かけたという話があちこちで出ていた。

 コルテスの報告以後、多くの探検家たちが「白い都市」を見つけようと模索した。だが、誰もその都市を発見できなかったという。

 探検家たちを拒んだのは、不毛なジャングルだった。木々が鬱蒼と生い茂り、1キロ進むのもままならない。危険な動物もたくさん待ち受けている。毒蛇やジャガーが生息しているし、ヒアリが大量にひそんでいる。病原体を媒介する昆虫も多く、リューシュマニア症と呼ばれる恐ろしい病気にかかることもある。

 現代にあっては、別の意味でホンジュラスの探検をすることが難しくなった。ホンジュラスは麻薬カルテルの巣窟だからだ。殺人事件の発生率も高い犯罪多発国で、外部の人間がおいそれと入り込むことのできる場所ではない。

 というわけで、多くの障害に拒まれ、「白い都市」の伝説は幻で終わってしまうかに思えた。だが、最近になってこの都市を見つけようという新たか試みが始まった。あるチームが航空機でジャングルの奥地にまで飛行し、地上にレーザーを当てて三次元画像を作成したところ、巨大な人工物の跡が見つかったのだ。これはきっと古代都市群にちがいない。

 科学的な手がかりを得た探検家たちは、未踏の地に分け入って、「白い都市」を探すための調査に向かうことになる。

 本書はこれら探検家たちの足跡を記した旅行記だ。歴史上の大発見につながる冒険が描かれていて、本当にワクワクさせられる本だった。

 現代の科学文明にあっては、もはや地上は探検しつくされたのかと思っていたが、まだまだ人類未踏の地というのはあるものらしい。「白い都市」なんていうものがあるのも全く知らなかった。人類の歴史というのも、未だに分かっていないことが多いのだ。

 本書を読むと、世界が謎に満ちていることが分かって歴史のロマンを感じる。単純にジャングルを探検する冒険ものとしても、面白い本だった。
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美術品でたどるマリー・アントワネットの生涯 [伝記(外国)]





 タイトルの通り、美術作品をひも解きながら、マリー・アントワネットの生涯をたどった本。

 美術作品がたくさん掲載されているので、マリー・アントワネットがどんな人生を歩んでいったのか、どんな生活を送っていたのかがイメージしやすい。

 マリー・アントワネットというと、贅沢三昧のわがまま王妃というイメージがある。たしかに一般庶民とはかけはなれた豪華絢爛な生活を送っていたようだ。

 自分勝手なイメージがあるから、あまり人物としての魅力を感じなかったのだが、この本を読むと少しイメージが変わる。

 革命が起こった後、マリー・アントワネットはどうにか現状を打破できないかとかなり奮闘したらしい。外国にいる知人と暗号で通信して支援を求めたり、囚われの身からの脱走を果たそうとしたり、夫や子供たちを守ろうと必死の姿を見せる。生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされて、わがまま娘だった頃とはまるで別人のようになる。

 最後は処刑台に送られることになるのだが、死を目前にしても威厳のある態度を守り続けたのだとか。

 よく考えたら、こんなに運命に翻弄された人もなかなかいないだろう。もともとは姉が嫁ぐはずだったのに、急きょ姉の代わりに王妃となってしまった。王妃になったら、幸せが待っているかと思ったら、今度は革命騒ぎに巻き込まれてしまう。

 ヴェルサイユの華やかな生活から、一挙に暗黒世界へと転落することになる悲劇。こういう二重のイメージを持っているところには、たしかに惹きつけられた。
タグ:中野京子
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ルポ ニッポン絶望工場 [社会]


ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)

ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)

  • 作者: 出井 康博
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/07/21
  • メディア: 新書



 最近、外国人が働いているのをよく目にするようになった。コンビニとか飲食店などでは当たり前の光景だろう。

 日本で暮らす外国人というのは年々増えているのだそうだ。昨年末で238万人程度である。

 半分くらいは永住者や定住者だが、3割くらいは「留学」「技能実習」という在留資格で入国してきた人たちだ。

 「留学」「技能実習」などというと、日本語勉強をしたり技術を学んだりするために来たのだなと思うのが普通だ。ところがそれはあくまでも建前で、実際には短期の出稼ぎ労働のために来ている人が大半なのだという。

 しかも、彼らの働いているのは、3Kと呼ばれる日本人がやりたがらない仕事が多い。2020年を目標にした政府の「留学生30万人計画」というのがあるけれど、そもそも日本がなんで外国人を受け入れているかというと、日本人が働きたがらないような人手不足の業界に人員を補充するためなのだ。

 建前はどうあれ、外国人も日本で働けば貯金ができるし、日本の人手不足も解消される。お互いにWinーWinじゃないのかという気もしてくる。ところが、そういう単純な話でもない。

 日本で働いている外国人の多くは、日本で働けば裕福になれるという夢を抱いて、借金をしてまでブローカーに多額の費用を払い、留学先や働き先を紹介してもらうケースが多い。

 だが、いざ日本に来てみたら、予想外に稼ぎは悪い。働いても働いても、途中で紹介者にピンハネされたり、住居費を差し引かれたりして、手元に残るお金はごくわずか。それでも借金を背負っているので、どんなにきつい3Kの仕事であっても、奴隷のように働かざるを得ない。

 本来は外国人が働くことのできる時間数も限られているのだが、そんなことにもかまっていられない。深夜も早朝もなく長時間働くしかない。不法就労などは当たり前の世界なのだ。

 「ルポ ニッポン絶望工場」は、こうした外国人労働者が蟹工船のごとくこき使われている実態を取材した本である。新聞配達などにもこのシステムが利用されているから、新聞やテレビも報道したがらない話もたくさん書かれている。

 日本の社会もこうした犠牲のもとで成り立っているかと思うと、なんだかなあという気がしてくる。いろいろと知らない世界が見えてくる興味深い本。日本も身近なところに闇があるのだなと理解できた。
タグ:出井康博
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一流芸能人がやっているウケる会話術 [実用]





 我ながら、コミュ障が酷い。人前に出るとどうにもうまく話せないのだ。もっとうまく話せたらいいのになあとよく反省する。

 会話術の教室のようなものがあったら通いたいくらいだが、そんな便利なものはない。悩んでいても仕方がないので、問題を克服すべく、これからしばらく独学で会話について研究してみることにした。

 当面考えている方法は、①書店にある会話術の本を片っ端から読んでみること。②テレビのトーク番組を分析すること。③実生活で会話をしてみることの3つ。本で理論を学んだうえで、テレビで手本を見て、実際に自分で活用するという方式だ。

 会話にも才能の部分と技術の部分があるにちがいない。才能はなくても、最低限の技術くらいは学んでおきたいところだ。上記方法を繰り返して量をこなせば、少しは上達するんじゃないかという期待もある。ちなみに、学んだことは、随時このブログ上に載せていく予定だ。

 最初に読んだ本は「一流芸能人がやっているウケる会話術」という本。ホステスに会話の指導をしていたという人が書いた本である。

 筆者によると会話の基本型は、スピーカーとリスナーの役割が明確なタイプだそうだ。どちらかがスピーカーとなり、リスナーとなる。スピーカーとリスナーの役割分担がなくて、入れ替わったりするのは応用型。

 大事なのは、まずはリスナーとしての聞き方を学ぶということだそうで、聞き上手になる方法について最初に書かれている。

 話を聞くといっても、もちろんただ単に耳を傾けているだけではだめで、リアクションが必要となる。会話はキャッチボールだから、球が来たら返さなければならない。

 じゃあ、リアクションってどうやってやるんだろうと思ったら、14種類以上もあるんだそうだ。「振り」「質問」「応答」「相槌」「同調」「驚き」「合いの手」「確認」「ペース配分」「笑い」「ボケ」「ツッコミ」「まとめ」などである。
 
 正直、リアクションの方法がこんなにたくさんあるとは知らなかった。質問や相槌というのはわかるけれど、他にもいろいろあるのだ。本書を読むと、それぞれのリアクションの方法について詳しく書かれていて、この部分が本書で一番面白い。

 会話が上手な人というのは、こうしたたくさんのリアクションをうまく使い分けられる人なんだろう。

 本を読んだ後、さっそくトーク番組を見て、芸人たちのリアクションを確認してみたところ、たしかに上記のリアクションの方法が実践されているんである。しかも絶妙なタイミングで使われていてうまい。今までテレビ番組など適当に見ていたが、この本を読んで芸能人のリアクション芸の凄さがようやく分かってきた気がする。

 トーク術の本なので、スピーカーとしての極意も書かれているのだが、そちらのほうはあまり参考にならなかった。リスナーとしての極意のところが非常に勉強になる本だった。
タグ:難波義行
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ルナ・ゲートの彼方 [SF(外国)]


ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)

ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)




 ロバート・A・ハインラインの「ルナ・ゲートの彼方」は、地球から遠く離れた星を舞台にしたジュブナイルSF。

 古典的な物語の背景を宇宙に置き換えることで、スケールの大きな新鮮なものに早変わりする。SF作家はよくこういう手法を使っているけれど、「ルナ・ゲートの彼方」はまさに「十五少年漂流記」や「ロビンソン・クルーソー」といったサバイバルものを宇宙に置き換えた作品といえるだろう。

 高校生のロッド・ウォーカーは、授業の最終テストとして実地のサバイバルに参加することになった。それは未知の惑星に送り込まれて、一定期間生き延びるというテスト。どんな惑星に送り込まれるのか、どんなどう猛な動物がいるのかも一切知らされない。生命をかけた危険なテストだ。

 ゲートという装置で他の数十名の生徒らとともに未知の惑星に送り込まれたロッドは、ナイフ一丁でなんとか危険を回避しながらサバイバル生活を送る。しかし、期限を過ぎてもいっこうにテストが終わる気配がない。地球側でゲート回収ができない事態に陥っていたからだ。ロッドたち生徒らは、いつまでたっても救助が現れないまま、サバイバル生活を続けることに……。

 文明社会から離れて、しかも未知の生き物が待っている中でどうやって生き延びるのかが見どころ。ハインラインが書いているので、未知の惑星の話なのにとても説得力がある。未知の惑星にはどんな危険が待っているのか、どんな風に対処すべきなのか、サバイバルガイドのような本になっている。

 面白かったのは、サバイバル術と言うだけでなく、国家論にもなっているところ。生存する確率を高めるためには、仲間を増やしてコロニーを形成することが重要。ということで、ロッドたちは自分たちの国家を作り上げようとする。単に安全な住居を建てるというだけではなく、立法や行政といった社会制度を一から組み立てはじめるのだ。どんな国家が理想なのかというところまで考えさせられる、深みのある本といえる。

 最後の最後には予想を裏切るような展開が待っていて、ちょっとこれはどうなんだろうと思わなくもない。こういう意地悪な展開も含めて、ハインラインなりの教育的なメッセージがあるのだろうかとか、いろいろと興味の尽きない本だった。
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